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2012年05月04日

映画「KOTOKO」感想

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Cocco主演、塚本晋也監督、映画『KOTOKO』観てきたよー。
一応ネタバレは避けつつ雑感のようなものを。

この映画は「世界がふたつに見える」女性、琴子が主人公。

単にものが分裂して見えるだけではなく。
相手からの善意が悪意に、やさしさが暴力に、というふうに歪んだ形で見えてしまうという厄介なもので・・・
傍から見れば他愛ない世間話のやりとりさえも主人公には悪意のある攻撃に見えてしまう。

シングルマザーでもある琴子はその疾患を抱えながら、息子の大二郎を1人で守っていかなくてはならない。

大事なものを守ろうとするほど傷つき、傷ついたぶんだけ自分も他の何かを傷つけてしまう。
そして主人公の琴子は独りでいることを望んで、かわりに世界とのつながりを確認するため手首を切りつけている。

そんな、社会的にも、肉体的にも、精神的にも、「弱いもの」であるがゆえの戦いという話に映ったなあ。

そして「世界がふたつに見える」という設定だけれども。
これはなにも特別なことではなく、例えば何気なく発した言葉が自分の意図しないところで近くの誰かを深く傷つけたりというのは頻繁に起き得る悲劇で。

それはどうしたって完全には防ぎようが無いけどやっぱりつらい。

真綿で絞め殺されそうなそんな構図に、なぜかCoccoの曲タイトルにもある「白い狂気」という言葉が浮かんできたけれど。
いっけん純粋で綺麗な愛情の中にも、実は色々な不純物が浮かんでいて・・・
それは自分以外の誰かから見たらやっぱり狂気と同種のものなんだろうなあと思ったり。

そんな雑感でした。


内容はかなりキツいものを想像していたせいか、正視に耐えないというほどの凄惨さはなかったので一安心。
リストカットや流血描写、突然の叫び声、などに抵抗あるひとは観ないほうがいいと思うけどね。

Coccoさんの演技は想像していたより良かったです。
というより、ほとんど“素”のCoccoを見ているような感覚すね。
これは作品のコンセプトが合っていることと、あとはやっぱり撮り方が上手いんだろうなあと。

歌うシーンもさほど多くはないけれどあります。
あまり予算はかかっていないようで、限られた予算内でやりくりされた映像がむしろいい空気を生み出してますね。

小道具の用意もCoccoさんが手がけていたり、琴子の服装にも本人の私服的なものが多く使われているということで、Coccoさんのパーソナルな部分が好きな人は特に楽しめそう。
タグ:Cocco
posted by KUNIYA at 21:24 | COMMENT(0) | その他の話 |
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2012年03月09日

LIPHLICH「6 Degrees of Separation」(2012)

6 Degrees of Separation


murder suitcaseレーベル所属になったLIPHLICH。
完全自主制作っぽかった前作に比べると音質がクリアに聴きやすくなっとります。

歌声の機微まで伝わってきて思うのは、改めて存在感あるボーカルだなあと。
見た目の清春っぷりもなかなかすごいんだけれど。

このシングルは新曲2曲に前作からの再録音1曲を収録。

特にこの再録の「淫火」が必聴すね。
オリエンタル風味と燃え上がるような熱を孕んだこの楽曲、音質面が改善されたことでより妖しくエロティックに魅惑的な楽曲へと生まれ変わっとります。

もちろん新曲もいいすね。
「VESSEL」は哀しいピアノの音色が響き、切なげなメロディからはじまる回想曲めいたナンバー。
サビが付づいてくるとテンポも早めになり、バンドらしさもしっかり出している。

「Thread of Salvation」はストリングスの音が印象的。
こちらも寂しげな楽曲で、秋〜冬に似合いそう。
旅愁を奏でるようにギターが掻き鳴らされ、曇り空が冷たく肌を打つ雨に変わっていくような展開がよいっすね。


1.VESSEL
2.淫火-6 Degrees-ver.
3.Thread of Salvation
タグ:LIPHLICH
posted by KUNIYA at 20:59 | COMMENT(0) | 10年代シングル |
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2012年03月08日

LIPHLICH「SOMETHING WICKED COMES HERE」(2010)

SOMETHING WICKED COMES HERE


現在、注目度をメキメキと上げつつあるLIPHLICH。
会場と通信販売のみでしか手に入らなかったこのアルバム、一般流通はおろかインディース店舗にすら並ばなかったというのが不思議なほど濃い内容。

欧州圏を中心に様々な国の音楽のエッセンスを盛り込んだアングラ嗜好を刺激する楽曲群。
声質を活かしたメランコリックな歌ものもあり、そちらの路線もよいすね。

音は同期に頼っている部分も結構あるのだけれど、鳴らす音はアナログな方向性を目指しているよう。
バンド演奏だけでは表現できない空気感の演出に凝っている。
自主制作故に録音はあまり良好と言えないけれども、それを補って余りあるほどの魅力的なアルバム。

陰気なホーンテッドサーカスの前口上のようなオープニング「リフリッチがやってくる」
そしてはじまる「猫目の伯爵ウェンディに恋をする」は名刺代わりにもってこいな楽曲すね。
年代物のラジオからかすかに響いてくるようなイントロ、ドンドコとドラムの音とともに暗幕が上がっていき、アップテンポなピアノに乗せて歌われるアングラ歌曲。

「グルグル自慰行為」のグロテスクで攻撃的な演奏の合間で頼りなげに響く笛の音、どことなくスイスあたりの民謡を思わせるメロディで、耳馴染みやすさと奇怪な中毒性を持つキラーチューン。

「僕らの使い捨て音楽」は小洒落たジャズ風味、シャッフルリズムに鍵盤の音。
それほど目新しさはないけれど、皮肉めいたタイトルがそれを逆手取って魅力に変えとります。

「Recall」は寂しげなバラード曲、所は変わりシルクロードを通って中国の情緒を漂わせる。

「誘い」は30秒ほどのSEで次曲への導入となっている。
これに続く「淫火」はオリエンタル調でミステリアスな楽曲。
女性コーラスとストリングスも絡んで、ギラギラ燃え上がるようなサビが強烈!

「嫌いじゃないが好きではない」はややクラシカル?
特徴的なリズムに合わせ、痛烈な言葉を浴びせるような歌詞が刺さる。

「メリーが嫌う午後の鐘」はちょっと後期黒夢を彷彿させるところがあるかも。
ストレートな曲調の中にメロディアスさあり、讃美歌のように清らかな調べが耳心地いい。
「浮世のはぐれ蝶」はマーチのリズムと演歌っぽい歌メロ、レトロな日本的背景の楽曲になっているふう。

メランコリックなギターの響き、「マディソン群の橋の上で」は夕暮れどきの哀愁ただようスローなバラード。
「航海の唄」は壮大なスケール感で北欧のヴァイキングをモチーフにしているよう。
雷鳴轟き、荒波に揺れる船を重厚な音色で表現。

ラストにタイトル不明のシークレットトラックが入っとります。
ちと短めだけれど、歌メロが印象的ないい曲っすね。

満足度:8

1.リフリッチがやってくる
2.猫目の伯爵ウェンディに恋をする
3.グルグル自慰行為
4.僕らの使い捨て音楽
5.Recall
6.誘い(Instrumental)
7.淫火
8.嫌いじゃないが好きではない
9.メリーが嫌う午後の鐘
10.浮世のはぐれ蝶
11.マディソン郡の橋の上で
12.航海の唄
13.シークレットトラック
タグ:LIPHLICH
posted by KUNIYA at 20:37 | COMMENT(0) | 10年代アルバム |
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2012年01月26日

9GOATS BLACK OUT「Draw」(2011)

Draw


9GOATS BLACK OUTの3rdシングル。
ここ何作かは暗くて取っ付きづらそうな印象の音源が多かったけれど、今回はメロディアスな楽曲。

同期と演奏の絡み合う味わい深い音色は健在で以前よりプログレッシヴな音楽性になっている印象。

「甘美な死骸」
柔らかく暖かい、光に抱かれているようなドリーミーな美しさ。
そこから不意に暗い穴の中に落ち込むような、プログレッシブで入り組んだ転調が待ってます。
壮大なフィナーレへの流れには、誇らしいものすら感じるっすね。

「Lilith」
9GOATS BLACK OUTにしばしばある物語モチーフの楽曲。
今回は聖書から、アダムの最初の妻リリスっすね。
耳心地よい前半からダークな後半への展開が、楽園からの追放、堕落をイメージさせるふう。

「軽蔑」
これまで9GOATS BLACK OUTにはあまりなかった?疾走系。
王道のヴィジュアル系っぽくも若干シューゲイザーっぽさもあり、ライブでも人気になっていきそうなナンバー。
曲調のわりに歌詞はけっこうドロドロしている印象。


限定版のみリミックス2曲が収録されとります。
「a light」のリミックスはメトロノームのリウが担当。
神々しさとエレクトロ感があわさって良いっすね。


1. 甘美な死骸
2. Lilith
3. 軽蔑

4. a light [re-mix](限定盤のみ)
5. float [re-mix](限定盤のみ)
posted by KUNIYA at 20:39 | COMMENT(0) | 10年代シングル |
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2012年01月22日

9GOATS BLACK OUT「Rorschach inkblot」(2011)

Rorschach inkblot


9GOATS BLACK OUTの2ndシングル。
ドラムはササブチヒロシ、takumiの共同表記になっとります。

収録内容は、これ以前に出したライブDVDにも収録されていた2曲すね。

「憂鬱と孤独」
アコースティックギターの音色と寂しげなメロディが、メランコリックな感情を呼び起こす。
冷たく吹き付ける冬の風の中で一人震えるような楽曲。

「missing」
会場・通販限定盤では曲順も違って、こちらが1曲目になっているようす。
自分的にはこの曲のほうが好きだなあと。
“トゥトゥトゥター”と小鳥がさえずるような声に誘われて、暗い森の奥に迷い込んでいくよう。

穏やかで綺麗なメロディがふっと途切れ、ノイズに変わる瞬間は不思議なカタルシスを覚える。
これもどこか苦悩や憂鬱が滲んでくるような楽曲。

良くも悪くもシングルっぽさをあまり感じない、かも。
通販・会場限定盤のみ、ライブ音源をボーナスで収録。

1. 憂鬱と孤独
2. missing

3. 宛名のない手紙 [ live in "Melancholy pool " ] (限定盤のみ)
posted by KUNIYA at 21:08 | COMMENT(0) | 10年代シングル |
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